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novel, essay, poetry, criticism, diary

心に甦る黄金色の君の美しさが、僕の心を搔き毟るPart1

かなり頻繫に僕の人生の時間では、君の美しい黄金色の髪の毛が、白い姿態と共に僕の生涯の随所で蘇り、僕の心鼓舞する。


だから、そう百万ドルの稼ぎ手である芸能の世界の君の、君の妖しい踊りながら歌う姿態は世界中をうっとりとさせるけれど、世界の全てを見透かす様な瞳の賢い少女の一挙手一投足も共に僕の魂をあの君と出会いし日々へと連れ戻す。特にあのロマンティックな一夜へも。


かつて一つの大陸では、数多くの民達が共時的に移動しては定住もするその全てが随所に人々の集う十字路や交差点を作ってきた。


たった一人の天才的少女がたった一年で恐るべき稼ぎを齎させたのは、彼女の持ち前の創造性なので、そのことで酷く彼女の風貌は臆病で気後れする少女のそれから、全てを懐疑の眼差しで注視するその姿までもが、世界中の誰からも見つめられている。


片や、一人の禁欲的で慎み深い一人の小さな少女の面影は彼女の生い立ちが作ってきたのだけれど、一人の聖なる巫女の様な井出達の赤ん坊から、お転婆な少女へと変貌を遂げ、でもやがて全てへ懐疑的にも見透かす表情の今の大人の君へと変転してきた。たった一人で君が彼女を産み、その生い立ちと君達の共同生活がそういった全てを形作ってきたのだ。


とてもあざとく全てを観察する一人の少年は誠実な青年へと成長を遂げ、厳しい眼差しで戦う中年へと世界に拠って創造されていった。


彼は幼き日に実の母親を探しに越境して旅をした。後に彼は自分の家庭を持ち、比較的穏やかな日々を過ごせたが、彼の長男は酷く波乱に富んだ生涯を送ることとなる。数々の出会いを繰り返して。


にも関わらず数々と相手を変え築き上げられてきた君の家庭は、やはり数々の難事件とも遭遇し、君も君の娘も巻き込んで人生の波乱に富む変転を残してきた。


そういった全ての部隊の変転は、やはり一人の数奇な運命を背負って世界中を旅する一人の極目立たない小さな少女を髣髴とさせる。カリブ海の風とコカイン密貿易の拠点で生を受けた君を知る全ての人達もきっと同じような印象を持つに違いない。


でも娘である君の今は、とても僕の母の若き日々の風貌を彷彿させる。不思議な同時的連想だ。


ある放浪移民生活を強いられてきた民の血統を携えて舞台で観衆を魅了す君の姿は勇猛果敢な先祖の血かも知れない。君の祖先達はきっともう一つの過酷な受難の歴史を背負った民達とも度々遭遇してきた筈だ。その民の中から芸能で今世界を制覇する最初に述べた一人の女性が巣立ってきたのだ。


そう、或いはすべての君達には少なくとも一人は共通する祖先が居る筈なのだ。


風貌の変化とは、きっとどんな事情に拠るものであれ、意外と共通した経験則に拠って個々に異なった現実へと働きかける。


でも、それはどんなに言葉で説明してみても目で確認するには及ばない。


ここに登場した全ての女性達には偉大な母が居る。彼女達こそ彼女達の伴侶を魅惑し、彼女達の風貌の変遷を相互に影響し合う内に決定させてきたに違いないのだ。それがもっと大きく変わってきている今の彼女たちの表現の全ての源泉でもあるのだ。


(つづき)


Oct. 7th. Nov. 9th., 2021