Blog for Nameless-Value

novel, essay, poetry, criticism, diary

ごめんな、ナッツィー

君との出会いは、本当に短かったけど、ご免な、許してくれよ、僕をさ。だって君は僕と別れてから大変だったろうからさ。あの夏の日のことは、今もあの時の侭で、僕の心の奥底にずっとこびりついているんだから。


君の旦那は今も君と一緒に居るのかい?


結局僕は、僕たちにとっても馴染みある旧大陸の伝統ある国からやってきた一人の美しいレディと出会っちまったからさ。


僕にとって君は僕たち全てにとってとても不思議な熱き日々に於いて、二人目のレディだった。


当時とてもたくさんの素敵な歌達が次から次へと僕たちを出迎えてくれたっけな。


今の僕の女神はビリー・アイリッシュなんだけど、僕が君のことを初めて見たのは、テレビドラマか、雑誌の写真だった。とても美しい裸体だった。


今君は子供や孫もも居るんだろう?


結局僕は一人ぼっちの生活に戻っちまって、それ以来とても長い年月が僕の周囲にも過ぎ去って行った。


歌、歌、歌、いつも僕の周りには好きな歌が流れていて、聞き惚れてしまう身体が、歌を染み渡らせてるのって得も言われぬ感触なのさ。まるで君が僕を扉を開けて呼び寄せているみたいだったぜ。


君を大切にしてくれる奴と君は出会ったかい?


コロナ禍に僕たちが巻き込まれちまってこの方君とのデートスポットだった東京には一度も行っていないんだ。


君は長生きしてくれよな。君と君の為の全ての為に。


ひょっとして、君は運命の人と君のうろついていた街でとっくに出会っていたりして。運命なんて意外とそんなもんさ。


とても偶然の一致としか思えないめぐり逢いの地点を作ってくれるのって、やっぱり神か天使の悪戯っぽい茶目っ気ある計らいなのかも知れないね。


僕は必死に地獄へ向かって直走ってきたんだよ、結局さ。だから却って君には君の直走り向かう先に行けたらいいね。そこに永久の幸あれとだけ祈るよ。


来世があるのなら、ひょっとしたら我々は、そこで初めて再会できるのかも知れないね。


2021年 11月26日