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愛だけを、どんな他者(ひと)へも与え続ける人

世の中には、かなり大勢の自分だけは傷つきたくはない人々がいて、彼等は自分たちを守る為には、敢えて彼等に危険だと察知する人々を傷つけることで全うし様とさえする。でも彼等とは全く異なったタイプの人達も居ることは確かだ。


正に彼等はどんな他者(ひと)へも愛だけを与え続けるだけでなく、彼等以外の全ての他者から傷つけられることの方を彼等は選ぶ。自分だけが傷つけばよく、増して他者が傷つくことは絶対望まない。たとえある他者がその者を傷つけようとしていて、それを知っていてさえ。


それを、きっと誰からも一切傷つけられまいとして、その為なら自分以外の他者を傷つけても構わないと思い、それへ改悛の情さえ抱かないでそうしている人達には、絶対にそういう人達が居ることを信じることは出来ないだろう。


でも、これは本当に絶対正しく、そういう人達とは居るのである。
だからたとえそういった人たちの家族や最も愛する人達と彼等が離れ離れになって暮らしているとしても、きっと誰もがその愛だけを与え続ける者の存在を誇りに思うだろう。それは絶対そうなのだ。


そう、だからこの世には、心底優しく、労わりと慈しみにだけ長けたそういう天使的な人達とは確実に存在している。そしてどんな悪意にも屈せずに、そういった人達にさえ愛だけを与えることを辞さず、それへ最大の喜びだけを得るのだ。


だから、そう、もしこの世には我々にとっての神がおられないとしても尚、その人達の心だけが天性の清らかさを備えているだし、それは世界のどんな場所にも居るので、僕達全ては彼等に和まされ、癒されほっとしていられる、それ程に何と香しき我等にとって至福の喜びってあり得るだろうか?




その者に神の祝福在れ!この世知辛く、荒んだ世の中の空気の中で。そんな人はきっと貴方の傍らに居るのだ、貴方が望みさえすれば。




貴方がそんな人が居ることを信じれゆかれます様に。そして、それに拠って、その人と貴方が出会えます様に、祈りますね。



(一月八日、2022年)